ひとつだけ小さい頃から解せないことがある。
実家の近くに公園があった。まぁまぁ広い公園で、真ん中あたりにタイヤを鎖で宙吊りにした遊具があって、そこからみんなタイヤ公園と呼んでいた。
当時ポータブルゲームが盛んになっていて、小学校の頃はポケモンなんかがすごく流行っていた。
大人はその小さなデバイスに夢中になっている様がお気に召さず、あの手この手でポケモンを制限していた。電池を抜かれていたり、そもそもを取り上げられたり、全国各地でその親子戦争はあったと思う。
仕方なく諦めた僕らは公園に集い手打ち野球に明け暮れる。
しかしそこでも大人は現れる。ガラスは割ってほしくないし、ギャーギャーやかましいしという話だ。
大人側になってそれらはごもっともだと思うようになった。
でもガラスを割ってほしくないのであれば公園をフェンスで囲めばいいし、やかましいなら防音壁でもつけてやればいい。大人の都合でガキが遊べないのはいかがなもんだろう。
その公園は散歩を禁止し、ボールを禁止し、象徴であったタイヤも撤去され、誰もいなくなってしまった。
これは怒りではなく希望のようなもので、いつかあの頃の自分が何も臆することなく遊べる場所が生まれてくれないかな。
公園ってなんですか？